管理人ブログ - 演劇コラムカテゴリのエントリ
そのうち、ブログを書くのも義務みたいで嫌になり、最近はまったく更新していなかった。
昨年度は、2名入ってくれて、それなりに活動し、都大会にも参加したが、結果的に3月には部員がゼロになった。
今の学校で、何とか細々と4年間活動を続けてきたが、正直、今年はなくなるだろうと思っていた。
そうしたら、まったくひょんなことから、仮入部が一人やってきた。その子が普通に話す第一声を聞いて震えた。
言葉では説明できないが、演劇部のためにあるような声だった。
「一人じゃ難しいな。」
というと、
「他の子誘ってみます。」
と言って、翌日、3人で仮入部してきた。
そこで、5分ほどの簡単なコメディを読み合わせした。
一度、新歓公演でやったとこがある脚本だが、腹を抱えて心から大笑いしてしまった。
間といい、表現といい、絶妙で、直すところなんて全くない。
こんな子たちと出会ったのは、間違いなく堺中で一度あったきりの2度目だ。
ひとりは
「入部します!」
もうひとりは
「親が運動部じゃないとだめだと言ってる。」
もう一人は
「親が3人以上じゃないとダメだって言ってる。」
ということで、親の説得待ちに。
そして、先週、めでたく3人入部確定。さらに、男子部員が2人仮入部してきて、今週入部届を出してくれた。
最後に、今週の火曜日に仮入部した子1人が翌日入部してくれて、男子2名、女子4名の合計6名でのスタートになった。
正直、運命感じてます。本当に大切にしなくちゃいけない。
何より、せりふがキンキンするのでおかしいと思ったら、集音マイクが床とつるしと6本あって音を拾っていました。まあ、プロでもあることかも知れませんが、中学校の大会ではほとんど使いません。切って貰って生声にしたらずいぶん印象が良くなりました。 ただ、舞台の奥行きが深く、キャストが後ろを向くと反響がなくほとんど声が聞こえません。つるしの方だけ少し生かしておくべきかもしれません。リハは終わってしまったので、顧問の先生が音響卓について、その場で調節するしかありません。
後から聞いたのですが、熱中症で体調を崩した生徒もいるそうで(もちろん、会場はエアコンが利いているのでリハ中ではありません。)明日の本番が心配です。どうか、満足できる舞台になりますように。
また、北海道からは「修学旅行」がエントリーされています。直接ではなくても、きっと畑沢さんの講習の成果が生かされているでしょう。楽しみです。
6.神戸高校 (兵庫)「SISTERS」福田成樹 作(顧問創作)
2時間ドラマにしてもいいような心地よい3人の会話で惹きこまれる作品。もう少し、せりふで表現されている3人の個性を際立たせられると奥深い仕上がりになって、さらによかったと思う。特に真ん中の姉の心情を表現するのは、高校生にとってはかなりの挑戦ではないだろうか。
7.四日市高校(三重)「Father’s Day」 小林晋作 作(創作)
面白かった。特に父親役は、相当研究して演じたのだと思う。本当の父親のようだった。前半の軽妙なやり取りから、主人公の独白まで、よく出来た脚本だし、登場人物のそれぞれに感情移入が出来るすばらしい舞台だった。
8.弘前中央高校(青森)「あゆみ」柴幸男 作 畑澤聖悟 潤色(既成)
とにかく演出のすばらしさが際立っていた。オープニングのコンクリートむき出しの素舞台から、大黒が下がり、袖幕が下がり、キャストが発声練習をし始め、演劇部ものかと思ったら、それは生まれる前の準備(胎内?)を重ね合わせた表現だった。とも子とサマーキャンプでもそうだったが、制服姿のまま、次々といろんな人物に変わってゆく。制服を、高校生の象徴としてではなく、黒子の衣装や仮面のように利用している。
上手から下手に結ばれた光の道を繰り返し繰り返し往復するさまは、輪廻でもあり、「あゆみ」という一人の女性の一生を描きながら、いろんなキャストがリレーで描くことで、普遍性も表現していた。やがてあゆみの娘が嫁いでいくシーンは、きっと娘を持つ観客はみんな目頭を熱くしていただろう。演劇の可能性のや自由度の高さを感じた作品だった。
終わって席を立ったら、ちょうど畑澤さんが、客席から舞台裏に向かうところだったので、「面白かったです!」と伝えることが出来た。
9.村田女子高校(東京)「とぅらとぅらとぅらとぅらとぅらとぅららー♪」演劇部 作(創作)
すごかった。弘前中央とはまた別の意味で、演劇の自由度の高さを感じさせてもらった。とにかく、演劇はこうあるべきという私のような小市民的観念やあらゆる約束事をパワーでぶち破ってゆく舞台に圧倒された。2006年の「学割だからいいのよ」、2008年の「羊のお水 さようなら」もそうだったが、タイトルも内容もTOKYOだなーと毎回思う。
10.佐土原高校(宮崎)「銀の雨」段正一郎 作 長尾直樹 潤色
草子役のまっすぐさが魅力的で、作品全体を支えていた。黒子を使った衣装替えで時間の経過を表現するところ、特にはみ出したシャツを入れるシーンや、30年ぶりに再会した草子を追いかけて、多分、現実や社会的責任の象徴であるかばんにつまずくところ、思い出なのか、夢なのか、舞台につるされた赤いかさなど、印象的な絵が随所にあって、面白かった。
卒業のシーンで、異性を待っていると知ったときの友人の反応の違いや、誘いを断って待つ草子と誘いを断れずにボーリングに行く高彦の姿に、「男ってだめだよなあ・・・。」と苦笑する自分がいた。(笑)
昨日から、「面白かったです!」と一言伝えたくて、横川さんと越智君を探しているが、見つからない。一緒にいった友人は、越智君に直接伝えたそうで、かなり悔しい。明日会えますように。
全国大会1日目の感想です。
1.三刀屋高校(島根)「オニんぎょ」亀尾佳宏 作(顧問創作)
2年前の「暮れないマーチ」もそうだったが、独特の世界観と思い切った演出、キャストの基礎訓練とチームワークの良さを感じさせられるよく計算されたかっちりとした舞台でした。とても勉強になりました。
2.妻高校(宮崎)「トシドンの放課後」上田美和 作
有名な作品は難しいですね。特に大好きな作品なので評価がカラクなります。
平野が女なのがちょっと違和感ありましたが、中性的な演技でだんだん気にならなくなりました。それと、わざとかどうかわかりませんが、さだまさしファンとしては、英会話のBGMが白鳥だったのはちょっとツボです。
教師役は1年生とか。よく、雰囲気を出してました。
3.鹿追高校(北海道)「平成21年度北海道然別高等学校演劇部十勝支部演劇発表大会参加作品」井出英次 作(顧問創作)
多分、ビデオ上映なんて初めてなんでしょう。私もちょっと甘く見てましたが、舞台上で何とか上演中止を避けようとしている姿が、確かな演技力と、この状況の中で、二重に説得力を持って迫ってきました。幕が上がるところで終わるという、演劇関係者にはたまらなく愛しい作品です。見終わった後、だれかが「生で見たかった。」といってました。同感です。何とか国立の特別枠にならないものでしょうか。
4.甲府昭和高校(山梨)「放課後の旅その他の旅」中村勉 作(創作)
終わった後、知り合いの演劇関係者に、どうでしたかと聞かれて、思わず「う〜ん」といってしまいました。プロの演劇をあまり知らないのですが、素舞台で黒子がわりのクラスメイトが、象徴的なアイテムで舞台を表現したり、学校の中を旅するという発想だったり、すごく刺激的でした。よくわからない野田秀樹の作品を見た後のようでした。
私はキャストを見たい人なので、もうひとつ食い足りなかったのですが、描こうとしていたものとその手法には敬意を表します。キャストの表現力が増すと、もっともっと広がってゆく可能性のある作品だと思います。
5.川之江高校(愛媛)「さよなら小宮くん」越智優 作(既成)
オープニングとエンディングの声のないところが、ちょっと丁寧過ぎてパワーダウンするのが気になりましたが、一度、口を開いたら、その確かな脚本と演技力でたちまち会場を虜にしました。もちろん、私も虜になりました。
男の子がいいです。そして、女の子のキャラのすみわけが見事で、さらに、すみれさんが鮮やかに舞台をコントロールしていて、もうとにかく観客としても顧問としても感動しまくりでした。ぜひ、もう一度見たいです。
休憩時間に、畑澤さんを見かけて少しだけお話させていただきました。
明日、いい舞台になりますように。楽しみにしてます。
座・高円寺に初めて行った。毎回書いているが、演劇部を持ったのが遅かったので、同年代の顧問が見ている舞台をほとんど知らない。鴻上尚治の舞台を見たくて、チケットを取った。
上演前に見たパンフレットは、虚構の劇団をコンセプトに凝った作りになっていた。出演者が難しい難しいと書いているので、心配したが、野田秀樹に慣れた身にはそれほど難解ではなかった。・・・と言うより、何回であることをあまり気にしない見方をすることができた。側面と後背部をパネルで囲んだだけの素舞台でスピーディーに繰り広げられる舞台は、見事な演出で勉強になった。
鴻上尚治の書いた発声の本を読んでいたので、若い役者の台詞に注目していたが、みんなしっかりしていたし、度々挿入されるダンスも少なくともキャラメルよりはずっと揃って美しかった。
全中演研2日目(8月8日)
全中演研(全国中学校演劇指導者研究大会・中学校の演劇指導者の全国大会)の2日目は、午前中が音響講座で、午後が「美しい日本語(台詞)の話し方」と題して、身体表現も含めた基礎的な演技について学んだ。
【音響講座】
講師は世田谷パブリックシアター技術部長の市来邦比古氏。パブリックシアターで上演される舞台の音響を始め、シアターコクーンの「桜姫」等、多くの舞台で音響を手がけている。
今まで扱った舞台での音響の実例や考え方から始まり、様々な珍しいパーカッション機具の紹介やそれらを使った即興の効果音の挿入等、盛りだくさんで充実した講座だった。
【美しい日本語(台詞)の話し方】
講師は世田谷パブリックシアターファシリテーター(進行役)の富永圭一氏。世田谷区の小中学校を始め、多くのワークショップの指導経験がある。コミュニケーションゲームから始まり、足の筋肉ほぐし、基礎的な呼吸の仕方、声の出し方に始まり、立ち稽古に至るまでを実習した。「脳が喜ぶと吸収が良くなる」という基本コンセプトと「台詞のない部分でどう演技するかを大切にする」という2つの観点で、一貫して、ムリをせず、楽しく活動を進める方法を学んだ。もう少し続けて欲しいと思う興味深い講習だった。
全中演研1日目(8月7日)
全中演研(全国中学校演劇指導者研究大会・中学校の演劇指導者の全国大会)の1日目は、関東近県3校の中学校の記念上演とその顧問を交えての協議会が行われた。さらに、今年からの試みとして、教員の協議会に並行して生徒交流会が実施された。簡単にレポートしたい。
【記念上演】
群馬県中学校代表 新島学園中学校 「修学旅行」
作:畑澤聖悟 指導 大嶋昭彦先生
5人のキャラがはっきりしていて、中学生に配慮した安定したわかりやすい演技だった。特にラストシーンの山手線ゲームで、国の名前が「カンボジア」から始まる紛争地域に変わるところで、間を取り、キャストの表情や声の調子を変えたため、客席から笑い声が起こることはなかった。
ただ、枕が大量に飛び交うシーンが省略されていたのは、脚本の意味から言っても残念だった。
神奈川県中学校代表 横浜市立西本郷中学校 「河童」
作:畑澤聖悟 指導 関原桃子先生
同じ畑澤作品でも、修学旅行に比べて、中学校ではあまり上演されていない難しい脚本に意欲的に取り組んでいた。どちらかというと青森中央よりコメディタッチを省いて、テーマに真っ直ぐ向き合っていたと思う。カッパのメイクも良くできていたし、上演後にいろいろなことを考えさせられる奥深い上演だった。
東京都中学校代表 板橋区立赤塚第一中学校「アニータ・ローベルの『じゃがいもかあさん』」
作:土田峰人 指導 村尾明美先生・茨裕美先生・名川伸子外部指導員
都大会で一度見ていたが、その時よりストーリーがわかりやすくなっていた。現在、過去、劇中劇の変化のきっかけがわかりやすくなったのだろうと思う。20名以上のキャストを動員しての見応えのある舞台だった。少し前に三重で、大船高校の同じ作品を見たが、当然とはいえ、全く趣が違う仕上がりで面白かった。
【協議会】
生徒交流会の中心に見学していたので、ところどころしか聞いていないが、作品について、普段の指導について、高校演劇と中学校演劇の関係について等、突っ込んだ意見が交わされていた。特に最後の「普段の指導で一番大切にしていることは?」という質問に対する3人の先生方の「必ず笑顔で終わる。」「意味のない練習をしない。」「演劇部メジャー化計画」という3様の答が、それぞれ興味深く、自分だったらと考えさせられた。
【生徒交流会】
とても良い試みだった。とにかく、参加した中学生がみんな温かい。初めに上演校の部員一人一人が一言ずつコメントしたが、それぞれが二十人前後いる。合計60人近い人数の一人一言にきちんと最後の一人まで話を聞いて拍手を送っている。その後の質疑や、最後の参加各校(上演校だけでなく、観劇した学校も含めて10校ほど参加していた)の基礎練習の紹介まで、ずっと和気あいあいとした雰囲気だった。是非、来年以降も続けて欲しい。
全劇研(全国演劇教育研究会)で、8月3日に畑澤先生の「修学旅行」の一日講習があったので、是が非もなく申し込んだ。青森大会で「修学旅行」を見て以来、「生徒総会05」「河童」「ともことサマーキャンプ」と全国で4作見て、すっかりファンになったからだ。
畑澤さんは初心者向けの講習を考えていたらしいが、参加者の面子を見て、脚本の構造をつかむ形式に変更してくれて、それがとても面白かった。
午前中は、それまで、あまり意識して考えていなかった「ステイタス(階級・集団の中での立場)」を意識する簡単なワークから始まり、その変化という視点で修学旅行を捉えると、魔法のように構造が解きほぐされ、演出の視点が確立していった。多くの人には当然だったのかもしれないが、まったくの素人顧問の私には、大きな収穫だった。
午後は、その視点を意識しながら、ステータスが変化する前と、変化するきっかけのシーンを自分たちで演じてみる。集まったメンバーも達者な方が多く、畑澤さんの一言、二言のポイントをついた指摘で見る見る演技が変わっていくのが、面白かった。
面白いせりふ回しや表現をすると、畑澤さんが大きな暖かい声で笑ってくれる。それに励まされて、さらに表現が豊かになる。ああ、こんな練習なら演劇が大好きになるだろうなと思った。すばらしい一日だった。
今回の大会で特徴的だったのは、「劇が始まる前に誰かが死んでいる。」「残されたものが、死んだ人のことを考えながら、話が進んでいく。」と言う形式の作品が多かったことだ。
「これからごはん」・・・おばあちゃんの葬式前の話
「お通夜」・・・恩師のお通夜に同窓生が集まる話
「ともことサマーキャンプ」・・・いじめられた子が自殺して、関係者が学校に集まる話
「じゃがいもかあさん」・・・戦争で生き残ったおばあさんの回想
いろんな意味で、過去を振り返るという形式となると、「ふ号作戦」、「そばや」、「星空のソネット」、「化石」とほとんどになる。もちろん、演劇的な多重耕造を創りやすいと言う技法的なこともあるかもしれないが、いろんな意味で、過去の総決算をする時代を反映してなのかも知れない。

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