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管理人ブログ - 演劇コラムカテゴリのエントリ

色々なブログ

カテゴリ : 
演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/5/4 23:05
 最近、高校で演劇部とディベート部の顧問をしているイクトスさんという方とネットで知り合いになった。先日、彼のブログをのぞきに行ったら、「ギリシャ公演」という項目が目に付いた。

 「高校生が、ギリシャで公演?すごいなー!」

 ビックリしたが、関連のブログが34回分あるので、詳細を読むのは諦めた。

 酒井一成さんのブログでは、プロの方とのジョイントが語られている。「ルームルーデンス」という劇団の演出で、彼の高校が「夜長姫と耳男」を上演するという。

 また、別のブログでは、高校生向けの各種の演劇講習会の告知が沢山してあった。以前、高校生向けの講習会に中学生も参加できないかとお願いしたら、「高校生対象です。」と剣もほろろだった。いいな、高校生(笑)。

 今日、その「夜長姫と耳男」の公演があった。色々、連休にしたいこともあったので、行こうかどうしようか迷い、午前中に、ネットで少し調べてみた。

 ふむ、夜長姫は坂口安吾か・・・。(そんなことも知らない、根っからの理系自転車操業顧問です。:mrgreen:)次は、「ルームルーデンス」のホームページ。その中で「エデュケーションプログラム」という項目が目にとまった。

 「2004年度 サロメ・ギリシャ公演」

 点と点がつながった。こみ上げてくるものがあった。時計を見ると、12時半。まだ、14時の開演に間に合う。サイドバッグを掴んで、家を出た。

 会場最寄りの赤羽橋には、13:55に到着。しかし、場所がわからない。ローソンの店員さんに教わって、息せき切って会場に飛び込んだが、もう少し始まっていた。丁度座った席の真上から、クーラーがガンガン吹き付けてクビが痛い。

 いろいろ、集中できない要因が重なって、独特の世界観に入っていくのが難しかったが、照明や演出は普段の高校演劇では見かけない「空間作り」が感じられて参考になった。やはり、原作をちゃんと読んでから見たら、随分違ったろう。自分の不勉強さが悔しい。

 明日も、午後2時から、横浜緑ヶ丘高校が同じ演目で上演する。19:00からは、プロの方々もやる。興味のある方は、是非、出かけて欲しい。

活動開始

カテゴリ : 
演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/4/28 21:04
 4月20日に「入部する」といった後、暫く音沙汰がなかったが、今週の月曜日(25日)に正式に入部届を持ってきた。

 今週は色々忙しかった。先輩や仲間がいれば、「やっといて」ということもできるが、一人ではそうもいかない。早く活動したがる彼女にワケを説明して、今日から活動開始した。

 「先生、どうすればいいですか?」

放課後、すでに体育気に着替えて、職員室にやってきた。

 「うん、これからやろう。」

 3階の特別教室のカギを開け、ストレッチからスタートする。

 「あ、え、い、う、え、お、あ、おー」

 発声練習のパターンを一つだけ追加した後、仮入部の時にやった、早口言葉をやってみる。

 「新進少女歌手総出演新春シャンソンショー」
 「・・・すごいね!できてよ。家で練習したの?」
 「はい。」

嬉しそうに笑う。こっちもやる気になってきた。

 「あっ、あと、リトミックも出来るようになったんですよ。」
 「やってみて。」
 「はい。」

 桃太郎を歌いながら、右手3拍子、左手2拍子をスムーズにやってのける。練習がなかった1週間ほどの間に、家で随分練習したらしい。こういうところが中学生のたまらないところだ。

 右2拍子、左3拍子も私が見本を見せると、暫くしてマスターした。

 そこで、ちょっと早いかも知れないけど、レベルの高いことをやってみる。

 「パントマイムって知ってる?」
 「わかりません。」
 「この前見たビデオで、ものがなくて、あるつもりでやってるとこがあったでしょ?」
 「え〜っと・・・。」
 「ほら、裏町のピーターパンのお金取り出すところ。」
 「ああ、はい、ありました。」
 「ああいう風に、演劇ではものがないのにあるつもりで演技することがあって、それをパントマイムっていうんだ。」

 試しに、蛇口からコップで水を飲むのをやってみせる。余り、自信はないが、顔だけは自信たっぷりの笑顔で聞いてみる。

 「コップ見えた?」
 「はい!見えました!」

いい子だ(笑)。

 「朝、歯磨く?」
 「はい。」
 「毎日磨く?」
 「・・・はい。」

 質問の意味を掴みかねて不思議そうに返事する。

 「じゃあ、朝、歯磨くところパントマイムでやってみて。」

 クビを傾げながら、スタートする。

 「わー、でっかい歯磨き粉」
 「あっ、今、鏡突き破った!手が血だらけだ〜。」

 悪戦苦闘していたが、私がツッコミを入れるとケタケタ笑っていた。

 「連休中に、朝、研究してみて。」
 「で3も、月曜の朝はダメだよ。」遅刻しちゃうから。」
 「は〜い(笑)。」

 今日は、先生方の歓送迎会があるので、5時半に終了。いやあ、おもしろかった。
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仮入部

カテゴリ : 
演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/4/20 20:04
 朝、いつもより30分ほど早く学校に行って、ポスターを貼る。職員室に戻ると、他の先生方が、不思議そうに声をかける。

 「重盛先生、今日はどうしたんですか?」
 「ああ、ちょっと朝練で。」
 「ええっ?!」
 「冗談ですよ。」
 「ほんとは合唱の練習してるんじゃないですかぁ?」

 バスケット部の頃は、毎朝、7時過ぎに来ていたけれど、最近は、私が早く来るのは、体育祭と合唱祭の前だけだ。前回、合唱祭で2位だったので、来年の3月に向けて、今からやっててもおかしくないキャラだと思われている(笑)。

 放課後、結局、来たのは一人だった。職員会議が終わるまで、堺中の上演ビデオを見ていて貰って、4時頃から、練習を始める。腹式呼吸の練習とストレッチ。何の変哲もない練習だけど、とても楽しそうにしている。私自身も1年ぶりの活動なので、何をしていても新鮮で面白い。

 ストレッチを済ませてから、簡単な早口言葉。

 「新進少女歌手総出演新春シャンソンショー」
 「新進少女歌手しょうしつ・・・」
 「しょうしつじゃなくて総出だよ。焼失じゃ、燃えちゃうじゃん。」
 「あー、燃えちゃったあー。」

昨日、ビデオの中で、一年生が、この早口言葉に四苦八苦しているのを見ている。同じように間違えて、私に同じように突っ込まれたのが面白かったらしく、ニコニコ笑う。

 最後に、右手で3拍子、左手で2拍子のリトミックをやって、もっとやりたそうだったが、5時半に終わった。

 「面白かった?」
 「はい、楽しかったので本入部します。」
 「そうか、ありがとう。じゃあね。」
 「さようならー。」

取りあえず、1名入部。ただ、流石に一人は難しい。せめて、後一人入ってくれますように。
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ポスター

カテゴリ : 
演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/4/19 22:04
 昨日に引き続き、ビデオ上映。今日は、お客さんが沢山来た。一年生女子4名、男子数名、三年女子数名。しかし、練習風景を編集したビデオに飽きたのか、4〜5分すると、次々と部屋を出て行った。最後まで残ったのは、1年女子2名。

 昨日も来てくれた一人は、明日、仮入部したいという。もう一人にも誘っていたが、迷っている様子だった。

 家に帰ってから反省して、やはり、ポスターを作ることにする。何だか、あれだけ一生懸命な一年生を見ると、一人でも多くの仲間と一緒に活動させてあげたくなったのだ。

 只、手書きは苦手なので、このサイトの写真をフォトショップで絵画調に修正して、もとの顔がわからない状態でレイアウトして、言葉を添える。

 なかなか、いい出来だ(完全な自己満足)。:mrgreen:もっと、早く作るんだったとちょっと後悔する自分が情けない。
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入部希望者

カテゴリ : 
演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/4/18 20:04
 昼休み、10分ほどにまとめたビデオを上映する放送をして、お客さんを待った。しかし、一人も見に来てくれなかった。

 「やっぱり、印象薄かったかな・・・。」

 結構、情けなく、レバタラを考えた。

 「まっ、今年はダメか。」

諦めて職員室に戻る。放課後、委員会を終えて、廊下を歩いていると、一年生の女の子が一人、声をかけてきた。

 「あの、昼休み、見損なったんですけど・・・。」
 「見たいの?」
 「はい。」

思わず、顔がほころぶ。

 「良かったですね。」

 近くにいた2年生が、そういって、笑顔で通り過ぎていった。急いでビデオを見せる。

 「どう?」
 「楽しそうでした。」
 「他に見たい人いないかな。」
 「今日、何人かいたけど、場所がわからなかったみたいです。」
 「じゃあ、明日の昼休み、つれてきてくれる?」
 「はい。」

 ちょっと、希望の光が差してきたかな?
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部活紹介

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演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/4/15 22:04
 昨年に引き続き、公務分掌(学校内の役割分担)で部活担当になり、部活動紹介を体育館で運営した。体育館の後ろ半分に一年生を先頭に生徒全員が座り、前半分のフロアで各部がパフォーマンスをする。多分、どの学校でもやっているだろうが、由木中では、昨年、私が転勤してくるまでは、一年生全員とステージ上で説明する一部の代表だけだったようだ。

 昨年は、演劇部を発足するために、リトミックに合わせて「桃太郎」を歌った。いわゆる「伊東家の食卓」でやっていたヤツだ。今年はどうするか色々考えた。一番、参考になったのは、酒井一成さんのサイトにあった紹介用のプロモーションビデオだ。これはいいと思ったが、一方で迷いがあった。

 去年のように、入ってすぐ辞めるのでは意味がない。今年は人数よりも、長続きすることを優先したい。色々考えたが、結局、言葉での説明だけにした。当然印象は薄いので、入部希望者がいないかもしれない。でも、まあ、それはそれでしょうがない。もし、希望者がいたら、大切にしよう。でも、ちょっと前向きじゃないかな。まあ、今年もダメなら、来年は思いっきり、派手にやってみよう。
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10回目のスワローズ

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演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/4/2 19:04
 東久留米まで、久留米中の「スワローズは夜空に舞って」を見にいった。とても電車で行く気にはならないので、町田から車ででかける。乞田、関戸橋、やがて、武蔵小金井の駅前を通り過ぎ、小金井公園が見えてくる。私は、大学が近くだったので、この公園はよく利用した。あのころは、町田から小金井までバスと電車で2時間かけて通っていた。今は車で1時間。行動範囲は随分広がったが、この1時間と引き替えに失ったものも沢山あるような気がする。

 何て、哲学的なことを考えているうちに、会場の東久留米市立中央公民館に到着。車を降りると、丁度、顧問のA先生がいた。正確に言うと、4月1日から、転勤で別の学校に行ったので、元顧問というべきか。いずれにせよ、最後の大イベントだ。

 「ああ、どうも、わざわざありがとうございます。」
 「沖縄に比べりゃ、大したことないですよ。」

会場に入っても、久留米中の部員が、私を見つけて挨拶してくれる。会場は、満員とはいかないが、八分ほど埋まっている。保護者や、久留米中と思しき中学生が多い。いわゆる、普通のお客さんだ。今までは、堺中の6回の公演も、久留米中の3回の公演もどれも、演劇部員で会場は埋まっていた。今日の反応はどうだろうか。そんなことを考えていると、ブザーが鳴って、前説の男子部員が登場した。

 「今年は、外には花粉症という敵がいますが、会場の中にも小さな敵がいます。」

機械的な注意ではなく、会場の笑いを誘いながら、携帯電話の注意をする。会場の空気が和む。大したものだ。

 2ベルが鳴って、劇が始まる。

 「プッ・・・プッ・・・プッ・・・ピーーー・・・」

ビックリした。何と、いつものオープニングのBGMの前に、オシロスコープ(心心臓の波形を表示するドラマに良く出てくるヤツ)の音から始まった。もちろん、るみが死んだことの象徴だろうが、いってみれば、ネタバレとも言える。久留米中は、るみの死を悼む浩二の回想という形で劇を構成しているから、ありと言えばありだが、大胆な演出だ。

 主役二人の相変わらず活きのいい演技にも増して、看護婦役の吹っ切れぶりは素晴らしかった。また、「きっと、お母さんが絡んでると思う」とか、今までの公演では、スルーだったところで、客席の保護者層から、大きな笑いが起きたのも面白かった。

 リボンシトロンを飲むシーンで、見慣れた緑のビンがでてきた。そういうことか。実は、実際に無過失買っていた緑色のリボンシトロンのビンを全国大会の時に久留米中に貸したのだが、この間、堺中の生徒に聞いたら、まだ、返して貰ってないという。オーバーにいって、世界に2本しかない、そして堺中での思い出が染みついたビンなので、気になっていたが、こういう晴れの舞台で使って貰えるなら、大目に見よう(笑)。

 エンディングは、今までと違って、スワローズのスライドがなかった。私は、A先生に、ずっとない方がいいと言っていたので、ちょっと嬉しかった。:mrgreen:

 上演が終わって、 ロビーに出ると、初代のるみと浩二がいた。彼女らが地区大会、都大会と出演して、去年の関東大会、全国大会、そして今日の全国出場記念上演と、後輩に託したのだ。

 「こんにちは。今日は、わざわざありがとうございます。」
 「こんにちは。沖縄よりは近いからね。」

顧問と卒業生が、全く同じ事を言う。面白いので、私も、全く同じ返事を返した。

 「どう、自分の役を他の人がやってるのは。」
 「やりたかったですー!」

今、二人は高校の演劇部で活躍している。つい最近も、大きな公演があったらしい。

 「何だ、教えてくれれば、見にいったのに。」
 「じゃあ、これからホームページに書き込んでいいですか?」
 「どんどん、書き込んで。」
 「はーい。」

A先生は、あちこち引っ張りだこで、とても話しかける雰囲気ではないので諦めた。それにしても、何だか、この春休みは、いろんな人から沢山元気を貰った。もうすぐ、新学期が始まる。顔晴るぞ!p(^-^)q
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At the station

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演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/3/31 22:03
 今日は春フェスの2日目。卒業生のいるM高校の舞台を見る。1,2年生3人の芝居。前半は、設定の説明と伏線を張りながら、笑わせ留構成だが、高校に行ってから、お笑い担当(?)だった卒業生のYが、なかなか出てこない。物語半ばで登場すると、多分、中高通じて初めての坊や役(少年は前にあったけど)、お笑い一切なし。良く演じていた。特に、OLの出したクイズでだんだん心が開いていくシーンは秀逸だった。会場の空気が変わる。華というか、天性の才能だ。後半は意外な展開で、最後にしんみりさせるウェルメイドなストーリー。脚本も私の好きなタイプで面白かった。来年の地区大会も楽しみだ。

 
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三つの色の金平糖

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演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/3/30 22:03
 春フェス(多摩南地区高校演劇・春のフェスティバル2005)にO高校の舞台を見にいった。会場は、前も書いたが、淵野辺のプルヌイホール。桜美林学園、淵野辺校舎の中にある、できたてでピカピカの施設だ。そう、ホールがあるのは、淵野辺校舎。しかし、私は、町田の本校舎と勘違いして、1時間近く時間を無駄にしてしまった。余裕を持っていくつもりが、到着は上演予定の17:00ギリギリだった。

 このホールは、平田オリザがプロデュースしているらしく、今まで経験してきたいわゆる学校のホールとは、ひと味違う。まず、照明を消すと完全に暗くなる。無粋な非常灯も隙間から漏れ込む光もない。また、客席が、ひな壇上になっていて、その前には、いわゆる「舞台」はない。フラットな床があるだけ。客は完全にキャストを見下ろす形になる。また、適度な広さと反響の良さで、普通に喋れば、ささやき声でも、まず一番後ろまで聞こえる。無理なく自然な演技が出来る、まさに「青年団」向きのホールだ(笑)。

 さて、2ベルが鳴って、O高校の上演が始まる。顧問のM先生が母親役で登場して、強烈なキャラで客を掴む。

 「あなた、まだ、演劇部やってるんじゃないでしょうね?」
 「あれって、麻薬みたいなものらしいわよ。なかなか、抜け出せないんですって。」

こういうセリフは、演劇関係者のツボだ。観客のほとんどが演劇部員なのだから、当然、会場は爆笑に包まれる。しかし、後で聞いたら、ご本人は、あそこで笑いが来るとは全然思っていなかったらしい。

 客席が柔らかくなって、メインのH,Y,Nの3人も3日前より、ずっと良くなっている。あちこちに、私の知らない新しい演技も入っていて、明らかに完成度が上がっていた。特に、途中、変なところに椅子が残って、あれ?と思ったが、その椅子を三輪車に見立てて活用していたのは、嬉しかった。私が行ったときは、バッグに座り込んで三輪車の代用にしていたが、潰れてうまくいかなかった。いい案が浮かばなかったので、「考えといてね。」といったのを、ちゃんと工夫してくれていたのだ。やはり、最後の日に行かなかったのは正解だった。

 要所要所で笑いが起き、3人のキャラもちゃんと立っていて、後半は本当に切なくて、会場が舞台と一体になっているのがびんびん感じられた。

 「あたし、ケンジのセリフ聞いてないちゃったあ。」

上演が終わって、隣の高校生が、話していた。

 O高校が最後の上演だったので、講評も聞いていこうと思って残っていると、K高校の子が声をかけてくれた。

 「重盛先生、こんにちは。」
 「ああ、こんにちは。」
 「いつ、いらしたんですか?」
 「O高校のとき。」
 「うち、その前だったんですよー。一年生の創作なんですけど、出来がすごく良くて。」
 「そうかー、実は、町田校舎行っちゃって、真っ直ぐ来れば、一つ前、間に合ったんだよねー。」
 「残念だなー、見て欲しかったです。」
 「ごめんねー。」

彼女は、堺中とライバルでもあり、とても仲の良かったT中学の部長だった。高校に入ってからも、熱心に活動していて、時々、堺中の自主公演にも来てくれていた。2年生の地区大会で引退したので、春フェスは、照明を手伝っているという。考えてみれば、多くの高校は、3年になる前に引退するので、部活動は、1年半ほど。本当にもったいない話だ。特に、高校から演劇を始めた生徒は、やっと面白さがわかりかけた頃に辞めなければならない。もったいないことだ。

 暫くして講評が始まる。この地区で活躍されていて、転勤で神津島にいった顧問の先生だそうだ。柔らかい語り口で、各学校に知り合いの生徒も多いらしく、具体的で、違和感のない指摘が多かった。特に、O高校の講評は、良い点も悪い点も私が感じたこととほとんど同じだったので、驚いた。

 愉快だったのは、ある学校の創作で、カレーに醤油をかけるかソースをかけるか揉めるところが良かったという講評の後、「私は、塩、コショウがいい。」といって、会場の笑いを誘ったら、その学校の生徒が、小道具の塩コショウを講師の先生にプレゼントしたこと。こういうノリは、やっぱり中学校では見られない。

 帰り際に、O高校の部員が、一人一人、挨拶をしてくれた。

 「今日、すっごくよかったよ。」
 「あの一日のお陰です。ありがとうございました。」
 「また、呼んでね。」
 「えー、ほんとにいいんですかあ?」
 「ただし、もっと早めにね。3日前はキツイよ。」

彼女たちは、3年までやるという。嬉しいことだが、受験勉強との両立は並大抵ではない。イザとなったら、数学も応援するよ。:wink:


 
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デジャブ

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演劇コラム
執筆 : 
shige 2005/3/27 22:03
 今日は、一日O高校。顧問のM先生のご厚意で、ほぼ「一日顧問」に近い形で指導させて頂ける。10:30頃、到着すると男子生徒が出迎えてくれた。

 「重盛先生ですよね。」
 「はい。」
 「ご案内します。」
 「会ったことあったっけ?」
 「いえ、多分初めてだと思います。」

3年生が、引退した後、部員が2〜3人に減った。今回の公演も、途中入部や応援生徒で綱渡りしているようだ。うちも人ごとではない。というか、今0人だけど・・・。

 練習場所はいつもの廊下の広場ではなく、少し狭めの教室。本番の舞台の広さと丁度合っているという。ちなみに、公演場所は、淵野辺にある桜美林学園のプルヌイホール。客員している平田オリザの肝いりの場所だ。まだ、いったことはないが、客席200程度とのこと。どんなところか楽しみだ。教室にはいると、何やら揉めている。

 「あっ、重盛さん、すみません。ちょっと、通しが出来る状況じゃなくなってて・・・。」

M先生が、キャストの入れ替えを相談しているという。本番3日前。当然、部員達は戸惑っている。堺中でもよく見た光景だ。

 「あー、ごめんなさい。私のせいですね。」
 「そういうわけじゃないんですけど・・・。」

昨日、脚本を読んでいて、メインの二人が今までとは逆のキャラを受け持っているように感じたので、「これは挑戦ですか?」とメールで確認したのだ。もちろん、役の交代を希望してではない。レベルアップを目指しての意図的なものなら、それを理解した上でアドバイスをした方がいいと思ったからだ。

 「Hさん、今、マッタク余計なメールすんじゃねえよ!って思ってるでしょ。」
 「そんなことないですよぉ」

冗談めかしていったけど、Hさんの目は笑っていなかった・・・。

 元の配役と入れ替えてのものと両方で1シーン演じて貰う。確かに入れ替えた方がどちらもしっくり来る。地区大会ならそのほうがいいかもしれない。しかし、単に役柄と素の自分が近いと言うだけだ。顧問まで出演OKの春フェスで守りに入るもとのは、私は、もったいない気がした。

 「ちょっと、いいですか?」
 「どうぞどうぞ。」

 時間を貰って、元のキャストで一場面、演技指導させて貰う。部員達は知り合いで演技のクセも知っているので、夕べからどうアドバイスしようか、色々考えてきたことを試してみる。ラッキーなことに、元気な役が苦手なYさんの演技がみるみる変わっていく。

 「元の配役でいけると思いますけど。」
 「そうですねえ・・・Hさんはどう?」
 「私は、できればレベルアップしたいです。」
 「Yさんは?」
 「このままでいいです。」

結局、もとのままになった。そのあと、山場の所を1時間ほどやって、午前中は終わり。M先生の用意してくれたパンを食べながら雑談する。

 「どうぞどうぞ、遠慮しないで沢山食べて下さいね。」
 「ありがとうございます。」
 「ホントに今日はありがとうございますぅ。もう、お金払わなくちゃいけないくらい。」
 「いやあ、久しぶりに楽しい思いをさせて貰って、こっちがお金払いたいくらいです。」
 「あら、そんなぁ・・・でも、重盛先生の指導って、思ったよりわかりやすいんですねー。」
 「えっ・・・わかりにくいと思ってたんですか?」
 「そうなんですよねぇ、重盛さんも先生だったんですよねぇ・・・」
 「あ・・・あの・・・それって・・・」
 「あら、電話だわ、すいません、失礼しますぅ。」

M先生は、風のように部屋を出て行った。私は一体なんだと思われていたのだろう。 8O

 午後は1時過ぎから通しを見て、その後、場面ごとに話し合いながら、進めていく。さすがに中学生と違って、セリフのサブテキストや、シーンの意味についても自分なりの考えがちゃんとでてくる。あっという間に時間が過ぎる。

 「休憩する?」
 「大丈夫です。」

2,3時間過ぎても集中も意欲も衰えない。

 「いや、おまえ、そこは・・・あっ、すいません!Hさん、そこはね。」
 「気にしないで、ガンガンやって下さい。」
 「ごめんなさい!つい、自分の部活モードになって・・・。」

結局、7時過ぎまでタップリ時間を貰って、気になったところは大体アドバイスが出来たと思う。最後の挨拶の時、途中入部のNさんが声をかけてくれた。

 「宜しければ、明日もいらして下さい。」
 「良かったぁ、もうコリゴリだって言われなくて。」

笑い声がおこる。彼女は、入部して数ヶ月だが、努力家の上に勘が良く、今日もスポンジのようにどんどん吸い込んでくれた。しかし、私が調子に乗りすぎて、詰め込みすぎ、午後の練習で行き詰まってしまった。気になっていたので、とても嬉しかった。

 自宅へ帰る途中、明日来ようかと考えた。そういえば、車の中で芝居のことを考えるのも随分久しぶりだ。M先生からも頼まれたし、私にとっては、凄く充実した楽しい時間が過ごせるだろう。しかし、本番が、3日後。明後日はリハーサル。つまり、明日は最後の練習だ。行けば、何か言いたくなる。それはマイナスのような気がする。明日は、自分たちで今までの練習と今日の私の新しい考えを摺り合わせて、自分たちのものを作り上げる時間にした方がいい。

 そう思って、諦めることにした。ちょっと、淋しいけど(笑)。
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