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今日は春フェスの2日目。卒業生のいるM高校の舞台を見る。1,2年生3人の芝居。前半は、設定の説明と伏線を張りながら、笑わせ留構成だが、高校に行ってから、お笑い担当(?)だった卒業生のYが、なかなか出てこない。物語半ばで登場すると、多分、中高通じて初めての坊や役(少年は前にあったけど)、お笑い一切なし。良く演じていた。特に、OLの出したクイズでだんだん心が開いていくシーンは秀逸だった。会場の空気が変わる。華というか、天性の才能だ。後半は意外な展開で、最後にしんみりさせるウェルメイドなストーリー。脚本も私の好きなタイプで面白かった。来年の地区大会も楽しみだ。
春フェス(多摩南地区高校演劇・春のフェスティバル2005)にO高校の舞台を見にいった。会場は、前も書いたが、淵野辺のプルヌイホール。桜美林学園、淵野辺校舎の中にある、できたてでピカピカの施設だ。そう、ホールがあるのは、淵野辺校舎。しかし、私は、町田の本校舎と勘違いして、1時間近く時間を無駄にしてしまった。余裕を持っていくつもりが、到着は上演予定の17:00ギリギリだった。
このホールは、平田オリザがプロデュースしているらしく、今まで経験してきたいわゆる学校のホールとは、ひと味違う。まず、照明を消すと完全に暗くなる。無粋な非常灯も隙間から漏れ込む光もない。また、客席が、ひな壇上になっていて、その前には、いわゆる「舞台」はない。フラットな床があるだけ。客は完全にキャストを見下ろす形になる。また、適度な広さと反響の良さで、普通に喋れば、ささやき声でも、まず一番後ろまで聞こえる。無理なく自然な演技が出来る、まさに「青年団」向きのホールだ(笑)。
さて、2ベルが鳴って、O高校の上演が始まる。顧問のM先生が母親役で登場して、強烈なキャラで客を掴む。
「あなた、まだ、演劇部やってるんじゃないでしょうね?」
「あれって、麻薬みたいなものらしいわよ。なかなか、抜け出せないんですって。」
こういうセリフは、演劇関係者のツボだ。観客のほとんどが演劇部員なのだから、当然、会場は爆笑に包まれる。しかし、後で聞いたら、ご本人は、あそこで笑いが来るとは全然思っていなかったらしい。
客席が柔らかくなって、メインのH,Y,Nの3人も3日前より、ずっと良くなっている。あちこちに、私の知らない新しい演技も入っていて、明らかに完成度が上がっていた。特に、途中、変なところに椅子が残って、あれ?と思ったが、その椅子を三輪車に見立てて活用していたのは、嬉しかった。私が行ったときは、バッグに座り込んで三輪車の代用にしていたが、潰れてうまくいかなかった。いい案が浮かばなかったので、「考えといてね。」といったのを、ちゃんと工夫してくれていたのだ。やはり、最後の日に行かなかったのは正解だった。
要所要所で笑いが起き、3人のキャラもちゃんと立っていて、後半は本当に切なくて、会場が舞台と一体になっているのがびんびん感じられた。
「あたし、ケンジのセリフ聞いてないちゃったあ。」
上演が終わって、隣の高校生が、話していた。
O高校が最後の上演だったので、講評も聞いていこうと思って残っていると、K高校の子が声をかけてくれた。
「重盛先生、こんにちは。」
「ああ、こんにちは。」
「いつ、いらしたんですか?」
「O高校のとき。」
「うち、その前だったんですよー。一年生の創作なんですけど、出来がすごく良くて。」
「そうかー、実は、町田校舎行っちゃって、真っ直ぐ来れば、一つ前、間に合ったんだよねー。」
「残念だなー、見て欲しかったです。」
「ごめんねー。」
彼女は、堺中とライバルでもあり、とても仲の良かったT中学の部長だった。高校に入ってからも、熱心に活動していて、時々、堺中の自主公演にも来てくれていた。2年生の地区大会で引退したので、春フェスは、照明を手伝っているという。考えてみれば、多くの高校は、3年になる前に引退するので、部活動は、1年半ほど。本当にもったいない話だ。特に、高校から演劇を始めた生徒は、やっと面白さがわかりかけた頃に辞めなければならない。もったいないことだ。
暫くして講評が始まる。この地区で活躍されていて、転勤で神津島にいった顧問の先生だそうだ。柔らかい語り口で、各学校に知り合いの生徒も多いらしく、具体的で、違和感のない指摘が多かった。特に、O高校の講評は、良い点も悪い点も私が感じたこととほとんど同じだったので、驚いた。
愉快だったのは、ある学校の創作で、カレーに醤油をかけるかソースをかけるか揉めるところが良かったという講評の後、「私は、塩、コショウがいい。」といって、会場の笑いを誘ったら、その学校の生徒が、小道具の塩コショウを講師の先生にプレゼントしたこと。こういうノリは、やっぱり中学校では見られない。
帰り際に、O高校の部員が、一人一人、挨拶をしてくれた。
「今日、すっごくよかったよ。」
「あの一日のお陰です。ありがとうございました。」
「また、呼んでね。」
「えー、ほんとにいいんですかあ?」
「ただし、もっと早めにね。3日前はキツイよ。」
彼女たちは、3年までやるという。嬉しいことだが、受験勉強との両立は並大抵ではない。イザとなったら、数学も応援するよ。:wink:
このホールは、平田オリザがプロデュースしているらしく、今まで経験してきたいわゆる学校のホールとは、ひと味違う。まず、照明を消すと完全に暗くなる。無粋な非常灯も隙間から漏れ込む光もない。また、客席が、ひな壇上になっていて、その前には、いわゆる「舞台」はない。フラットな床があるだけ。客は完全にキャストを見下ろす形になる。また、適度な広さと反響の良さで、普通に喋れば、ささやき声でも、まず一番後ろまで聞こえる。無理なく自然な演技が出来る、まさに「青年団」向きのホールだ(笑)。
さて、2ベルが鳴って、O高校の上演が始まる。顧問のM先生が母親役で登場して、強烈なキャラで客を掴む。
「あなた、まだ、演劇部やってるんじゃないでしょうね?」
「あれって、麻薬みたいなものらしいわよ。なかなか、抜け出せないんですって。」
こういうセリフは、演劇関係者のツボだ。観客のほとんどが演劇部員なのだから、当然、会場は爆笑に包まれる。しかし、後で聞いたら、ご本人は、あそこで笑いが来るとは全然思っていなかったらしい。
客席が柔らかくなって、メインのH,Y,Nの3人も3日前より、ずっと良くなっている。あちこちに、私の知らない新しい演技も入っていて、明らかに完成度が上がっていた。特に、途中、変なところに椅子が残って、あれ?と思ったが、その椅子を三輪車に見立てて活用していたのは、嬉しかった。私が行ったときは、バッグに座り込んで三輪車の代用にしていたが、潰れてうまくいかなかった。いい案が浮かばなかったので、「考えといてね。」といったのを、ちゃんと工夫してくれていたのだ。やはり、最後の日に行かなかったのは正解だった。
要所要所で笑いが起き、3人のキャラもちゃんと立っていて、後半は本当に切なくて、会場が舞台と一体になっているのがびんびん感じられた。
「あたし、ケンジのセリフ聞いてないちゃったあ。」
上演が終わって、隣の高校生が、話していた。
O高校が最後の上演だったので、講評も聞いていこうと思って残っていると、K高校の子が声をかけてくれた。
「重盛先生、こんにちは。」
「ああ、こんにちは。」
「いつ、いらしたんですか?」
「O高校のとき。」
「うち、その前だったんですよー。一年生の創作なんですけど、出来がすごく良くて。」
「そうかー、実は、町田校舎行っちゃって、真っ直ぐ来れば、一つ前、間に合ったんだよねー。」
「残念だなー、見て欲しかったです。」
「ごめんねー。」
彼女は、堺中とライバルでもあり、とても仲の良かったT中学の部長だった。高校に入ってからも、熱心に活動していて、時々、堺中の自主公演にも来てくれていた。2年生の地区大会で引退したので、春フェスは、照明を手伝っているという。考えてみれば、多くの高校は、3年になる前に引退するので、部活動は、1年半ほど。本当にもったいない話だ。特に、高校から演劇を始めた生徒は、やっと面白さがわかりかけた頃に辞めなければならない。もったいないことだ。
暫くして講評が始まる。この地区で活躍されていて、転勤で神津島にいった顧問の先生だそうだ。柔らかい語り口で、各学校に知り合いの生徒も多いらしく、具体的で、違和感のない指摘が多かった。特に、O高校の講評は、良い点も悪い点も私が感じたこととほとんど同じだったので、驚いた。
愉快だったのは、ある学校の創作で、カレーに醤油をかけるかソースをかけるか揉めるところが良かったという講評の後、「私は、塩、コショウがいい。」といって、会場の笑いを誘ったら、その学校の生徒が、小道具の塩コショウを講師の先生にプレゼントしたこと。こういうノリは、やっぱり中学校では見られない。
帰り際に、O高校の部員が、一人一人、挨拶をしてくれた。
「今日、すっごくよかったよ。」
「あの一日のお陰です。ありがとうございました。」
「また、呼んでね。」
「えー、ほんとにいいんですかあ?」
「ただし、もっと早めにね。3日前はキツイよ。」
彼女たちは、3年までやるという。嬉しいことだが、受験勉強との両立は並大抵ではない。イザとなったら、数学も応援するよ。:wink:
最近、思うんですが・・・。このサイトにアクセスして、「オンライン状況」を見ると、大抵、ゲストの方々が数人いらっしゃいます。ところが、メンテナンスをしようと思ってログインすると、ゲストの方々が、潮が引くようにサーッと半分くらい、いなくなります。やっぱり、管理人がアクセスしているのは気になるのでしょうか。何だか、せっかく来て頂いたのに、邪魔してるようで気が引けます。 :( いっそのこと、「オンライン状況」の表示、止めようかな。
それと、今日、3ヶ所ほどコラムに本文なしのコメントが付いています。もし、このサイトの不具合が広がっていて、本文が書き込めないのでしたら、トップに記載している旧掲示板に書き込んで下さいね。
それと、今日、3ヶ所ほどコラムに本文なしのコメントが付いています。もし、このサイトの不具合が広がっていて、本文が書き込めないのでしたら、トップに記載している旧掲示板に書き込んで下さいね。
今日は、午後から堺中の3年生と卒業生が遊びに来てくれた。みんなで昼食を食べに行くことにしてイプサムで移動。誰がどこに座るかも、昔通り。途中で、O高校にいった話をする。
「それで、途中で一人、固まっちゃってね・・・」
「あー!それ、わかるうー。」
「よそいって何やってんですかあ?」
「いや、でも、彼女、それから1時間くらいして、ちゃんとお願いしますって言ってきたんだよ?偉くない?」
「あたし達の時なんか、1時間も待ってくれなかったよねー!」
「そうそう、せいぜい10分だよねー。」
「えっ?そんなことないでしょ・・・(汗)」
「あー、あたし、その子の気持ち、すっごくわかるなあー!」
「そ、そういえば、なに食べたい?」
「あー、ごまかしてるうー!」
食事して、一人、塩と砂糖を間違えて、みんなで、3年生の合唱のビデオ見て、昔のビデオ見て、まだ、若いねーなどと、17歳が言って、カラオケで、一人、私が歌いたい昔の歌ばかり歌う子がいて・・・ホントに楽しい一日だった。みんな、ありがとう。
「それで、途中で一人、固まっちゃってね・・・」
「あー!それ、わかるうー。」
「よそいって何やってんですかあ?」
「いや、でも、彼女、それから1時間くらいして、ちゃんとお願いしますって言ってきたんだよ?偉くない?」
「あたし達の時なんか、1時間も待ってくれなかったよねー!」
「そうそう、せいぜい10分だよねー。」
「えっ?そんなことないでしょ・・・(汗)」
「あー、あたし、その子の気持ち、すっごくわかるなあー!」
「そ、そういえば、なに食べたい?」
「あー、ごまかしてるうー!」
食事して、一人、塩と砂糖を間違えて、みんなで、3年生の合唱のビデオ見て、昔のビデオ見て、まだ、若いねーなどと、17歳が言って、カラオケで、一人、私が歌いたい昔の歌ばかり歌う子がいて・・・ホントに楽しい一日だった。みんな、ありがとう。
今日は、一日O高校。顧問のM先生のご厚意で、ほぼ「一日顧問」に近い形で指導させて頂ける。10:30頃、到着すると男子生徒が出迎えてくれた。
「重盛先生ですよね。」
「はい。」
「ご案内します。」
「会ったことあったっけ?」
「いえ、多分初めてだと思います。」
3年生が、引退した後、部員が2〜3人に減った。今回の公演も、途中入部や応援生徒で綱渡りしているようだ。うちも人ごとではない。というか、今0人だけど・・・。
練習場所はいつもの廊下の広場ではなく、少し狭めの教室。本番の舞台の広さと丁度合っているという。ちなみに、公演場所は、淵野辺にある桜美林学園のプルヌイホール。客員している平田オリザの肝いりの場所だ。まだ、いったことはないが、客席200程度とのこと。どんなところか楽しみだ。教室にはいると、何やら揉めている。
「あっ、重盛さん、すみません。ちょっと、通しが出来る状況じゃなくなってて・・・。」
M先生が、キャストの入れ替えを相談しているという。本番3日前。当然、部員達は戸惑っている。堺中でもよく見た光景だ。
「あー、ごめんなさい。私のせいですね。」
「そういうわけじゃないんですけど・・・。」
昨日、脚本を読んでいて、メインの二人が今までとは逆のキャラを受け持っているように感じたので、「これは挑戦ですか?」とメールで確認したのだ。もちろん、役の交代を希望してではない。レベルアップを目指しての意図的なものなら、それを理解した上でアドバイスをした方がいいと思ったからだ。
「Hさん、今、マッタク余計なメールすんじゃねえよ!って思ってるでしょ。」
「そんなことないですよぉ」
冗談めかしていったけど、Hさんの目は笑っていなかった・・・。
元の配役と入れ替えてのものと両方で1シーン演じて貰う。確かに入れ替えた方がどちらもしっくり来る。地区大会ならそのほうがいいかもしれない。しかし、単に役柄と素の自分が近いと言うだけだ。顧問まで出演OKの春フェスで守りに入るもとのは、私は、もったいない気がした。
「ちょっと、いいですか?」
「どうぞどうぞ。」
時間を貰って、元のキャストで一場面、演技指導させて貰う。部員達は知り合いで演技のクセも知っているので、夕べからどうアドバイスしようか、色々考えてきたことを試してみる。ラッキーなことに、元気な役が苦手なYさんの演技がみるみる変わっていく。
「元の配役でいけると思いますけど。」
「そうですねえ・・・Hさんはどう?」
「私は、できればレベルアップしたいです。」
「Yさんは?」
「このままでいいです。」
結局、もとのままになった。そのあと、山場の所を1時間ほどやって、午前中は終わり。M先生の用意してくれたパンを食べながら雑談する。
「どうぞどうぞ、遠慮しないで沢山食べて下さいね。」
「ありがとうございます。」
「ホントに今日はありがとうございますぅ。もう、お金払わなくちゃいけないくらい。」
「いやあ、久しぶりに楽しい思いをさせて貰って、こっちがお金払いたいくらいです。」
「あら、そんなぁ・・・でも、重盛先生の指導って、思ったよりわかりやすいんですねー。」
「えっ・・・わかりにくいと思ってたんですか?」
「そうなんですよねぇ、重盛さんも先生だったんですよねぇ・・・」
「あ・・・あの・・・それって・・・」
「あら、電話だわ、すいません、失礼しますぅ。」
M先生は、風のように部屋を出て行った。私は一体なんだと思われていたのだろう。 8O
午後は1時過ぎから通しを見て、その後、場面ごとに話し合いながら、進めていく。さすがに中学生と違って、セリフのサブテキストや、シーンの意味についても自分なりの考えがちゃんとでてくる。あっという間に時間が過ぎる。
「休憩する?」
「大丈夫です。」
2,3時間過ぎても集中も意欲も衰えない。
「いや、おまえ、そこは・・・あっ、すいません!Hさん、そこはね。」
「気にしないで、ガンガンやって下さい。」
「ごめんなさい!つい、自分の部活モードになって・・・。」
結局、7時過ぎまでタップリ時間を貰って、気になったところは大体アドバイスが出来たと思う。最後の挨拶の時、途中入部のNさんが声をかけてくれた。
「宜しければ、明日もいらして下さい。」
「良かったぁ、もうコリゴリだって言われなくて。」
笑い声がおこる。彼女は、入部して数ヶ月だが、努力家の上に勘が良く、今日もスポンジのようにどんどん吸い込んでくれた。しかし、私が調子に乗りすぎて、詰め込みすぎ、午後の練習で行き詰まってしまった。気になっていたので、とても嬉しかった。
自宅へ帰る途中、明日来ようかと考えた。そういえば、車の中で芝居のことを考えるのも随分久しぶりだ。M先生からも頼まれたし、私にとっては、凄く充実した楽しい時間が過ごせるだろう。しかし、本番が、3日後。明後日はリハーサル。つまり、明日は最後の練習だ。行けば、何か言いたくなる。それはマイナスのような気がする。明日は、自分たちで今までの練習と今日の私の新しい考えを摺り合わせて、自分たちのものを作り上げる時間にした方がいい。
そう思って、諦めることにした。ちょっと、淋しいけど(笑)。
「重盛先生ですよね。」
「はい。」
「ご案内します。」
「会ったことあったっけ?」
「いえ、多分初めてだと思います。」
3年生が、引退した後、部員が2〜3人に減った。今回の公演も、途中入部や応援生徒で綱渡りしているようだ。うちも人ごとではない。というか、今0人だけど・・・。
練習場所はいつもの廊下の広場ではなく、少し狭めの教室。本番の舞台の広さと丁度合っているという。ちなみに、公演場所は、淵野辺にある桜美林学園のプルヌイホール。客員している平田オリザの肝いりの場所だ。まだ、いったことはないが、客席200程度とのこと。どんなところか楽しみだ。教室にはいると、何やら揉めている。
「あっ、重盛さん、すみません。ちょっと、通しが出来る状況じゃなくなってて・・・。」
M先生が、キャストの入れ替えを相談しているという。本番3日前。当然、部員達は戸惑っている。堺中でもよく見た光景だ。
「あー、ごめんなさい。私のせいですね。」
「そういうわけじゃないんですけど・・・。」
昨日、脚本を読んでいて、メインの二人が今までとは逆のキャラを受け持っているように感じたので、「これは挑戦ですか?」とメールで確認したのだ。もちろん、役の交代を希望してではない。レベルアップを目指しての意図的なものなら、それを理解した上でアドバイスをした方がいいと思ったからだ。
「Hさん、今、マッタク余計なメールすんじゃねえよ!って思ってるでしょ。」
「そんなことないですよぉ」
冗談めかしていったけど、Hさんの目は笑っていなかった・・・。

元の配役と入れ替えてのものと両方で1シーン演じて貰う。確かに入れ替えた方がどちらもしっくり来る。地区大会ならそのほうがいいかもしれない。しかし、単に役柄と素の自分が近いと言うだけだ。顧問まで出演OKの春フェスで守りに入るもとのは、私は、もったいない気がした。
「ちょっと、いいですか?」
「どうぞどうぞ。」
時間を貰って、元のキャストで一場面、演技指導させて貰う。部員達は知り合いで演技のクセも知っているので、夕べからどうアドバイスしようか、色々考えてきたことを試してみる。ラッキーなことに、元気な役が苦手なYさんの演技がみるみる変わっていく。
「元の配役でいけると思いますけど。」
「そうですねえ・・・Hさんはどう?」
「私は、できればレベルアップしたいです。」
「Yさんは?」
「このままでいいです。」
結局、もとのままになった。そのあと、山場の所を1時間ほどやって、午前中は終わり。M先生の用意してくれたパンを食べながら雑談する。
「どうぞどうぞ、遠慮しないで沢山食べて下さいね。」
「ありがとうございます。」
「ホントに今日はありがとうございますぅ。もう、お金払わなくちゃいけないくらい。」
「いやあ、久しぶりに楽しい思いをさせて貰って、こっちがお金払いたいくらいです。」
「あら、そんなぁ・・・でも、重盛先生の指導って、思ったよりわかりやすいんですねー。」
「えっ・・・わかりにくいと思ってたんですか?」
「そうなんですよねぇ、重盛さんも先生だったんですよねぇ・・・」
「あ・・・あの・・・それって・・・」
「あら、電話だわ、すいません、失礼しますぅ。」
M先生は、風のように部屋を出て行った。私は一体なんだと思われていたのだろう。 8O
午後は1時過ぎから通しを見て、その後、場面ごとに話し合いながら、進めていく。さすがに中学生と違って、セリフのサブテキストや、シーンの意味についても自分なりの考えがちゃんとでてくる。あっという間に時間が過ぎる。
「休憩する?」
「大丈夫です。」
2,3時間過ぎても集中も意欲も衰えない。
「いや、おまえ、そこは・・・あっ、すいません!Hさん、そこはね。」
「気にしないで、ガンガンやって下さい。」
「ごめんなさい!つい、自分の部活モードになって・・・。」
結局、7時過ぎまでタップリ時間を貰って、気になったところは大体アドバイスが出来たと思う。最後の挨拶の時、途中入部のNさんが声をかけてくれた。
「宜しければ、明日もいらして下さい。」
「良かったぁ、もうコリゴリだって言われなくて。」
笑い声がおこる。彼女は、入部して数ヶ月だが、努力家の上に勘が良く、今日もスポンジのようにどんどん吸い込んでくれた。しかし、私が調子に乗りすぎて、詰め込みすぎ、午後の練習で行き詰まってしまった。気になっていたので、とても嬉しかった。
自宅へ帰る途中、明日来ようかと考えた。そういえば、車の中で芝居のことを考えるのも随分久しぶりだ。M先生からも頼まれたし、私にとっては、凄く充実した楽しい時間が過ごせるだろう。しかし、本番が、3日後。明後日はリハーサル。つまり、明日は最後の練習だ。行けば、何か言いたくなる。それはマイナスのような気がする。明日は、自分たちで今までの練習と今日の私の新しい考えを摺り合わせて、自分たちのものを作り上げる時間にした方がいい。
そう思って、諦めることにした。ちょっと、淋しいけど(笑)。
目の前に様々な情景が浮かび、頭がフル回転している。久しぶりの感覚だ。数日前、O高校のM先生から、近況報告と発表会へのお誘いのメールが届いた。元々見にいくつもりだったが、やり取りの中で、お手伝いをさせて頂けることになり、今日、宅急便で台本が届いた。柏木康博さんという、確か高校の顧問の先生作の「三つの色の金平糖」。いわゆる「演劇部もの」で、典型的な予定調和のさわやかな手筋ものだ。
いろんな舞台構成や演出プランが浮かぶ。部員達も去年の夏から何度か舞台を見ている知り合いなので、読み返すうちに、彼女たちの姿と声で、頭の中でキャストが動き出す。本番は、3月30日。お手伝いは、明日。3日前にたった一日の飛び込みで出来ることは限られているが、久しぶりに現場の空気に触れられるので、否応なく血が騒いでいる。
お互いに楽しくて密度の濃い時間が共有できるようにしたい。明日が、楽しみだ。
いろんな舞台構成や演出プランが浮かぶ。部員達も去年の夏から何度か舞台を見ている知り合いなので、読み返すうちに、彼女たちの姿と声で、頭の中でキャストが動き出す。本番は、3月30日。お手伝いは、明日。3日前にたった一日の飛び込みで出来ることは限られているが、久しぶりに現場の空気に触れられるので、否応なく血が騒いでいる。
お互いに楽しくて密度の濃い時間が共有できるようにしたい。明日が、楽しみだ。
今日は、学年の納め会。いわゆる一年間ご苦労さん会だ。つい、この間転勤したような気がするが、あっという間に一年間がたっていた。まあ、短く感じると言うことは、いいことに違いない。
色々振り返りながら先生方と談笑していると、珍しく携帯が鳴った。登録のない番号だが、市外局番は町田だ。
「はい、重盛です。」
「あっ、重盛先生ですか?堺中のHです。」
「ああ、久しぶり!どうしたの?」
「今度、2年のときのクラスで集まることになったんですけど、先生にも来て貰いたいと思って。」
「いつ?」
「○月○日です。」
「その日なら空いてる。呼んで貰えるなら嬉しいな。」
「じゃあ、お願いします。詳しい事が決まったら、また、連絡します。」
以前、日記にも書いたが、このクラスは、担任していない。副担で、合唱コンクールの時に1ヶ月ほどアドバイスをして、その時に随分、距離が縮まったように思う。私が色々口出しするのを、ニコニコしながら見ていた担任のK先生の姿も含めて、いろんな意味で考えさせられたし、勉強になった経験だった。
由木中学校でも、3月に合唱祭があった。私のクラスで話し合った合唱祭の目標は、「優勝、感動、精一杯」。ゴロで、この順番になったが、精一杯練習して、自分たちも観客も感動できるような合唱をして、それで優勝できたら最高だねという考え方だ。
結果は、準優勝だった。クラスの生徒は複雑な顔をしていたが、彼らは間違いなく精一杯練習したし、当日の合唱は(少なくとも私には)掛け値なしに感動的だったから、私は、スッキリしていた。
合唱祭の翌日、優勝したクラスの授業があった。みんなニコニコしながら、私の「出方」をうかがっている(笑)。私は心から言った。
「みんな、おめでとう。」
すると、そのクラスを引っ張った合唱のリーダーが、照れくさそうに言った。
「先生のお陰です。」
そのクラスには、一度アドバイスをしたことがあった。といっても、歌い出しがうまくいかなくて困っていたので、ちょっとしたコツを一言いっただけなのだが、彼女は、「ああ、そうか!」といって、顔を輝かせていた。
家に帰ると、堺中のSからメールが来ていた。
「先生、うちは明後日、本番です。前日って、どんな練習すればいいですか?」
彼女のクラスは、今回、「吹雪」を歌う。これは中学生には凄く難しい曲で、私も自分のクラスで3回チャレンジしたが、納得できる仕上がりになったのは、最後の時だった。そして、その時のビデオをSが見て、1月にメールでアドバイスを求めてきた。素人なりに自分が考える練習ポイントを書いて送った。それから、何回かやり取りしたが、私のアドバイスをクラスに印刷して配っていいかと言う。
正直、困った。もし、私が担任なら、転勤した先生からもらった、しかも数学教師のアドバイスを配られるのは、ちょっといい気持ちではない。以下は、メールのやり取り。
「いいけど、担任の先生のOKは、必ず取ってね。」
「OK貰いました。」
「そういえば、担任の先生って誰?」
「K先生です。」
不思議な縁だ(笑)。本番もうまくいって、良い結果だったようだ。前日練習をアドバイス通りやったら、本番もうまくいったとメールが届いた。もちろん、私のアドバイス云々より、私にまでアドバイスを求めるほどの意欲を持って取り組んだ彼女たちの努力の結果だ。
何にせよ、合唱は面白い。そして、奥が深い。
色々振り返りながら先生方と談笑していると、珍しく携帯が鳴った。登録のない番号だが、市外局番は町田だ。
「はい、重盛です。」
「あっ、重盛先生ですか?堺中のHです。」
「ああ、久しぶり!どうしたの?」
「今度、2年のときのクラスで集まることになったんですけど、先生にも来て貰いたいと思って。」
「いつ?」
「○月○日です。」
「その日なら空いてる。呼んで貰えるなら嬉しいな。」
「じゃあ、お願いします。詳しい事が決まったら、また、連絡します。」
以前、日記にも書いたが、このクラスは、担任していない。副担で、合唱コンクールの時に1ヶ月ほどアドバイスをして、その時に随分、距離が縮まったように思う。私が色々口出しするのを、ニコニコしながら見ていた担任のK先生の姿も含めて、いろんな意味で考えさせられたし、勉強になった経験だった。
由木中学校でも、3月に合唱祭があった。私のクラスで話し合った合唱祭の目標は、「優勝、感動、精一杯」。ゴロで、この順番になったが、精一杯練習して、自分たちも観客も感動できるような合唱をして、それで優勝できたら最高だねという考え方だ。
結果は、準優勝だった。クラスの生徒は複雑な顔をしていたが、彼らは間違いなく精一杯練習したし、当日の合唱は(少なくとも私には)掛け値なしに感動的だったから、私は、スッキリしていた。
合唱祭の翌日、優勝したクラスの授業があった。みんなニコニコしながら、私の「出方」をうかがっている(笑)。私は心から言った。
「みんな、おめでとう。」
すると、そのクラスを引っ張った合唱のリーダーが、照れくさそうに言った。
「先生のお陰です。」
そのクラスには、一度アドバイスをしたことがあった。といっても、歌い出しがうまくいかなくて困っていたので、ちょっとしたコツを一言いっただけなのだが、彼女は、「ああ、そうか!」といって、顔を輝かせていた。
家に帰ると、堺中のSからメールが来ていた。
「先生、うちは明後日、本番です。前日って、どんな練習すればいいですか?」
彼女のクラスは、今回、「吹雪」を歌う。これは中学生には凄く難しい曲で、私も自分のクラスで3回チャレンジしたが、納得できる仕上がりになったのは、最後の時だった。そして、その時のビデオをSが見て、1月にメールでアドバイスを求めてきた。素人なりに自分が考える練習ポイントを書いて送った。それから、何回かやり取りしたが、私のアドバイスをクラスに印刷して配っていいかと言う。
正直、困った。もし、私が担任なら、転勤した先生からもらった、しかも数学教師のアドバイスを配られるのは、ちょっといい気持ちではない。以下は、メールのやり取り。
「いいけど、担任の先生のOKは、必ず取ってね。」
「OK貰いました。」
「そういえば、担任の先生って誰?」
「K先生です。」
不思議な縁だ(笑)。本番もうまくいって、良い結果だったようだ。前日練習をアドバイス通りやったら、本番もうまくいったとメールが届いた。もちろん、私のアドバイス云々より、私にまでアドバイスを求めるほどの意欲を持って取り組んだ彼女たちの努力の結果だ。
何にせよ、合唱は面白い。そして、奥が深い。
月曜から日曜まで、ほぼ毎日楽しみなドラマがあった頃がある。確か、月曜が「一つ屋根の下2」で、火曜日が「ギフト」、水曜日が「いいひと」じゃなかったかな?他は忘れてしまったが、毎日、ビデオの予約録画をしていたのを覚えている。
最近は、ドラマが視聴率も内容も低迷気味だったが、このクールは、面白かった。月曜は「不機嫌なジーン」、火曜は「救命病棟24時」、木曜は「富豪刑事」、金曜は「特命係長只野仁」、土曜は、当然「ごくせん」。残念ながら、日曜の「Mの悲劇」は、最初の1,2回でうんざりしてしまったし、ついでにいうと、木曜10時の「優しい時間」は、初回を少し見て、止めてしまった。
「不機嫌なジーン」は、動物行動学者という設定の面白さと、何より、内野聖陽と小林聡美が見ていて飽きない。「救命病棟」は、テーマがタイムリー(というのは不謹慎かも知れないが)なのと、やはり、脚本がしっかりしていて面白い。それと小市慢太郎がすごくいい・・・というかオイシイ(笑)。ただ、手術シーンが多すぎるのと、進藤がスーパーマン過ぎるのが少し気になるけど、まあ、そういうドラマだよね。その後の、木、金、土の3本は、何というか、B級とマンネリに徹している潔さがすごくいい。何にも考えずに、気楽に笑うことが出来る。ただ、筒井康隆の出たがりには、ホトホト呆れてしまう。きっと、現場でも原作者である彼の大根ぶりに苦々しい思いをしながら、誰も何も言えないんだろうな。
最近は、ドラマが視聴率も内容も低迷気味だったが、このクールは、面白かった。月曜は「不機嫌なジーン」、火曜は「救命病棟24時」、木曜は「富豪刑事」、金曜は「特命係長只野仁」、土曜は、当然「ごくせん」。残念ながら、日曜の「Mの悲劇」は、最初の1,2回でうんざりしてしまったし、ついでにいうと、木曜10時の「優しい時間」は、初回を少し見て、止めてしまった。
「不機嫌なジーン」は、動物行動学者という設定の面白さと、何より、内野聖陽と小林聡美が見ていて飽きない。「救命病棟」は、テーマがタイムリー(というのは不謹慎かも知れないが)なのと、やはり、脚本がしっかりしていて面白い。それと小市慢太郎がすごくいい・・・というかオイシイ(笑)。ただ、手術シーンが多すぎるのと、進藤がスーパーマン過ぎるのが少し気になるけど、まあ、そういうドラマだよね。その後の、木、金、土の3本は、何というか、B級とマンネリに徹している潔さがすごくいい。何にも考えずに、気楽に笑うことが出来る。ただ、筒井康隆の出たがりには、ホトホト呆れてしまう。きっと、現場でも原作者である彼の大根ぶりに苦々しい思いをしながら、誰も何も言えないんだろうな。
今日、私の学校は卒業式だった。全くと言っていいほど、授業等、何も繋がりのない学年だが、いつも笑顔で挨拶してくれる素敵な3年生だった。今日も卒業生の堂々とした合唱を聴いているうちに目頭が熱くなってきた。確か、町田も今日が卒業式のはず。みんな、どうしているだろう。きっと、堺中もよい卒業式だったに違いない。私の電報は、読んでもらえたかな?ちょっと、反応も気になる(笑)。
以前、劇団四季の「オペラ座の怪人」に批判的なコラムを書いた。しかし、私が四季やミュージカルについて、批評に十分な知識や経験を持っているかというと、心許ない。もちろん、一観客の立場でブログを書くことに問題はないが、少し釈然としないので、今、少しずつ勉強をしている。
手始めに、「劇団四季と浅利慶太」という本を買った。この本の面白いところは、著者が演劇評論家ではないこと。松崎哲久という元自民党の方で、今までは政治分析の著書を出している。従って、内容は劇団四季の歴史、経営戦略、人材開発といった観点から語られている。
あとがきを読むと浅利慶太氏と親しいようなので、多少、四季よりの立場で書かれているであろうし、実際、内容は一言で言えば、「四季は素晴らしい。」ということの論証である。しかし、そこに語られていることは、説得力があり、私も劇団四季は演劇文化を支えるために日本に必要だと思わされてしまった(笑)。
「千と千尋」も「ハウル」も今ひとつだったけど、それでも、ジブリを応援したい。四季に対する今の気持ちはそんな感じだ。どちらも、他には代わりが存在しないから。
手始めに、「劇団四季と浅利慶太」という本を買った。この本の面白いところは、著者が演劇評論家ではないこと。松崎哲久という元自民党の方で、今までは政治分析の著書を出している。従って、内容は劇団四季の歴史、経営戦略、人材開発といった観点から語られている。
あとがきを読むと浅利慶太氏と親しいようなので、多少、四季よりの立場で書かれているであろうし、実際、内容は一言で言えば、「四季は素晴らしい。」ということの論証である。しかし、そこに語られていることは、説得力があり、私も劇団四季は演劇文化を支えるために日本に必要だと思わされてしまった(笑)。
「千と千尋」も「ハウル」も今ひとつだったけど、それでも、ジブリを応援したい。四季に対する今の気持ちはそんな感じだ。どちらも、他には代わりが存在しないから。